川端康成「古都」
川端康成「古都」
朝日新聞の連載小説だったそうだ
東山魁夷の口絵
豪華ですね
「雪国」は2度読んだが、直近が去年だったと思う
駒子がどうしても宮沢りえになってしまい、お茶のCMもあってか妙に愉しく読んだ
東京下町育ちのオヤジには、どうも京都弁が理解不能
「ふん」と話し言葉の始めにあったら、「ふん、何言ってんだよ」の「ふん」だよ
お嬢さんである千恵子の「ふん」は、力の入らない「ふん」
「ふー」に近いんだろう
赤ん坊の時に捨てられたが良い夫婦に拾われ、大事にお嬢さんとして育てられた千恵子と、捨てられなかったが、両親を早くになくして貧しい環境に育った苗子の双子の姉妹
全く異なる環境に育ったけれど、二人とも美しく、そっくりさん
そんな二人が出会う場面がとてもいい
抑えた描写の中に運命的な邂逅がせつなく、美しく、その後の哀しい展開を予測させる
だけど、この後はよく解んない箇所が出てくる
この頃は川端は「眠り薬」に依存しており、その後の自殺へと続く道程の上に乗っている
自殺は10年後
「あとがき」にある
「私は毎日『古都』を書き出す前にも、書いているあいだにも、眠り薬を用いた。眠り薬に酔って、うつつないありさまで書いた。眠り薬が書かせた様なものであったろうか。『古都』を「私の異常な所産」と言うわけである」
さてさて、苗子の心持ちが、私には理解しがたいではないか
小説は、最後に苗子と千恵子が共に一夜を過ごし、苗子が帰って行くところで終わる
その夜苗子は、千恵子を捨てた親にかわって「かにしとくれやす」と謝る
「それが、苗子さんに、なんの責任や罪がおすの?」(千恵子)
「そんなことやおへんけど、前にも言いましたやろ。苗子は、お嬢さんの、おしあわせに、ちょっとでもさわりとうないのどす。」と苗子は声を落として、「いっそ、きえてしまいとおす。」
川端の小説を「美しい」というなら、ここでしょう
情景描写、特に京都に詳しい御仁や京都生まれ・育ちにはたまんないでしょうな、風物詩のような祭りの紹介もいいでしょう
でも、そんなとこではなくて、せつないとかさびしいという情感が「美しい」と同居しているからでしょうかしらん・・・
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